1. ―鳩山政権に評価できる点はなかったのか。

     こう答えよう。官僚との関係を見直そうとした各閣僚の姿勢は確かに真剣であり、各々の政策の完成度は別として、そのアプローチが政策オリエンティッドだった点において、自民党政権時よりはましだったのではないか。

     また、予算編成への基本的なアプローチ、すなわちソーシャルウェルフェアにより多くの予算を再配分しようとする姿勢も正しいと思う。しかし、残念ながら、鳩山民主党政権の経済運営には、大きな欠陥があった。高福祉を目指す一方で、同時並行的に、日本経済の競争力や生産性を高めるために規制緩和を進めるという意志が欠如していた。それは、郵政改革をろくな議論もせずに大転換させるという愚行に象徴されている。高福祉と市場競争は両立できないかのごとき鳩山政権の発想は、日本にとって利益とならない。